というわけでもないけれど
- 作者: G.ルフェーヴル,Georges Lefebvre,二宮宏之
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/10/16
- メディア: 文庫
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「号令で動く、烏合の衆」という先人の群集観を覆したもの。身体的集合的記憶が、何らかの外的事件で呼び覚まされ、純粋な群衆が結集体となり、歪曲された情報や不安や希望に振り回されていくのだという。ひところの西洋史研究では特に、この種の民衆騒擾の研究が盛んに行われた。ルフェーヴルは特に、情報の歪曲を重視したが、関東大震災のときの「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマなど、その例とも言えるだろう。それほど極端でないにせよ、世論のうねりなどと美化されることには、十分留意したいものである。