【死刑に関する質疑】
Q: 死刑の情報公開に関して,昨日,国連のアーバー高等弁務官が批判する声明を出しているようで,簡単に言うと,執行が本人や家族に事前に知らされてないことであるとか,高齢者も執行の対象になっていることは,ちょっとおかしいのではないかというようなコメントを出しているようなのですけど。

A: それは国連の第3委員会の件もありますが,こうした死刑という制度を存続するか,あるいは執行するかというのは,内政上の大変重い課題でございまして,他国に干渉されるべきものではありません。ただ,他国のいろいろな意見については,十分に聞く耳を持たなければなりませんし,一つのそういう考え方があるということは参考としては受け止めますけども,我が国における死刑制度や死刑の執行に関して,直ちに影響力を与えるものではないと思います。特に,「事前通知」という話があるとすれば,これはあり得ません。やはり事前に通知をするということは,死刑囚の心情にも影響を与え,かえって酷なことになるというふうに判断していますし,「明日やりますよ」と言ったら大騒ぎになるとか,そういうようなことを防ぐ意味からも,事前に告知とか通知とか公表ということは考えられません。あと,高齢死刑確定者というのでしょうか,そうした問題については総合的な判断の中で,やはり法律の要請するところに従って,粛々と行っているわけでございまして,それ以上のことは申し上げられません。