『社会思想史研究』。この学会の大会は、毎年、報告が多いですね。以前、知人が報告するというので、冷やかしに行って、その報告数にビックリしました。でも、その中でも光る報告をなさっていた方は、他の学会でもやはり良い報告をなさるようです。そういう報告に注目して、いいところを見習いたいと思います。

国家の枠を超えた思想史研究の可能性
社会思想史研究No.31


社会思想史学会編

伊藤定良西川杉子/堀田誠三/崎山政毅後藤浩子/細井保/別所良美/対馬美千子/箱田徹/田中拓道/川越修/大田一廣/三島憲一加藤哲郎/若尾政希


A5並製 168頁 2100円
◇978-4-89434-590-4 (2007年9月刊)

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【書評・紹介】

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●目 次●


〈座談会〉
 「国民国家」が孕むトランスナショナルなコンテクスト

伊藤定良西川杉子+堀田誠三

 ? 国民国家形成とマイノリティ問題
 ? 国家を超えたネットワーク
 ? ナショナリズムインターナショナリズム

〈研究動向〉
 ラテンアメリカ思想史研究動向

崎山政毅

 共和主義研究からみた思想空間としての「東中欧」の重要性

後藤浩子


〈書評〉
 『カトリック政治思想とファシズム』(村松惠二著)

細井保

竹内好という問い』(孫歌著)

別所良美

〈公募論文〉
 私たちのもつ唯一の内なる羅針盤
   【アーレントにおける構想力の概念】

対馬美千子

 エロスの技法を再読する
   【フーコー統治論の形成過程】

箱田 徹


〈研究動向〉
 ジャコバン主義と市民社会
   【19世紀フランス政治思想研究の現状と課題】

田中拓道

 「社会」をめぐる思想史研究と歴史研究

川越修


〈書評〉
 『欲求と秩序――十八世紀フランス経済学の展開』(米田昇平著)

大田一廣


 『芸術の条件――近代美学の境界』(小田部胤久著)

三島憲一


 『社会主義インターナショナルの群像 1914-1923』(西川正雄著)

加藤哲郎


 『昭和史論争を問う』(大門正克編)

若尾政希


 ? 革命の名のもとに、二重のバリケード
      (不純な「不純なる不純な幽霊たちの物語」)
 ? 現れざるものの出現――現象学的「手品」