世界の大学ランキング

が発表されて、タイムズ側の分析では、「北米大陸で5校が圏外に転落し(ドイツも1校転落)、その分、アジア勢が進出した」(ロシアも1、北欧も2校進出したけどね)ことが憂慮されている気配。


日本は全体としてみれば圏外転落が無くて、進出が2校で健闘したと言えそう。


(昨年比)

 22← 19 東大
 25← 25 京都
 43← 44 阪大
 55← 61 東工大
 92←120 名古屋
 97←112 東北
142←214 慶応
148←180 早稲田
155←158 九大
171←174 北大
174←216 筑波


ただ、詳細に立ち入って見るとそれほど楽観できない気もする。


分野別TOP50でいくと、5部門全てにエントリーしているのは東大と京大のみ、Natural Scienceで大阪、東工大、東北が、Life science & Biomedecineで阪大、Engineering & ITで東工大、阪大、Art & Humanitiesで早稲田がはいっているけれども、Social Scienceは東大と京大のみ。しかも、全部門で、論文引用率からいくと、アジアの諸大学に負けている。早稲田については、外人教員受入数はトップで、(総合的な)論文引用率は最下位。国内人気・受験偏差値からいくと早稲田の場合、政経や理工が高く文学は最近苦しい(失礼!)イメージなのだけど、研究レヴェルは別物なのですね。


また、上記11校中、外人教員受け入れ数が下から3番目、論文引用率が下から2番目、留学生受け入れ数が最下位であるにもかかわらず進出した慶応の場合、Employer Reviewは3位というのが、この種のランキングのポイントの一つでもあることが明らか。ちなみに筑波のEmployer Reviewは上記では最下位で、外人教員受け入れ数は下から2番目。


なお、論文引用率はタイムズの調査とはいえ、英米系がダントツ、いわば2軍が欧州と日本以外のアジア、日本は3軍?という感じです。アジアの優秀な学生から見ると、英米に留学するか、自国に留まるかという選択肢の方が、日本留学より魅力的なのではないかな。


東アジア共同体そのほかの政策を「イニシアチヴ」を以って進めるには、「躍進するアジア」の優秀な人材を日本に集めにゃなりません。予算を削ってばかりいないで、高等教育に対してより多大な支援を政府に期待したいところです。こういう政策構想の全体の設計図を描いて欲しい。