行政訴訟 その2


毎日・徳島

木屋平村の工事指名回避訴訟:差し戻し審 原告の請求を棄却 /徳島
 ◇村長に故意・過失なし 原告の違法行為を認定
 旧木屋平村(現・美馬市)発注工事の入札指名外しを巡る損害賠償請求訴訟の差し戻し審判決が29日、高松高裁であった。紙浦健二裁判長は「00、02、04年度の指名回避に西正二村長(当時)の違法性は認められず、01、03年度も故意や過失はなかった」と市側の主張を認め、原告の瀧本建設(同市)の請求を棄却した。
              
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 今回の訴訟では、差し戻しを命じた06年10月の最高裁判決に基づいて「00〜04年度における指名回避の正当な理由の有無」が争点となっていた。

 判決では、まず原告が村内業者かどうかの判断について「同村内の登記上の本店は、単に登記上に過ぎず、営業所にあたるとは認められない」と判断。村内業者ではないとした上で、00、02、04年度の指名回避について、原告が指名回避後に村との話し合いを拒絶したこと(00年度)や、県発注の橋脚工事で川を汚したり(02年度)、砂防工事で無断で梅の木を伐採する(04年度)などの違法行為があったと認定した。

 これらの行為は指名停止要綱や指名基準などに抵触する十分な事情となるため、「西村長が指名回避としたことは、村外業者と判断したことと併せて裁量権の逸脱、らん用とは認められず違法性はない」とした。

 一方で01、03年度の指名回避については「正当な理由がない」としながらも、当時県下ほとんどの自治体が明文化された規定がなくても地元企業を優先して指名していたことなどを理由に「指名回避の手続きに違法があるとまでは言えない」と判断。さらに、西村長自身も指名回避措置が違法との認識はなかったとして、「村長の指名回避に故意や過失があるとは認められない」と述べ、原告の請求は理由がないものと棄却した。

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牧田久美馬市長「市の主張が全面的に認められた結果であり、過疎地域における公共工事の位置づけと、法違反による指名回避の正当性について理解していただけたものと考えております」。

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 ○…旧木屋平村・入札指名外し訴訟の歩み…○

・99年 4月    原告が旧木屋平村発注の入札業者から指名を外される

・02年10月17日 原告が村を相手取り約1億4000万円の損害賠償を求めて徳島地裁に提訴

・04年 5月11日 徳島地裁判決。「長期の指名停止は裁量権を逸脱した行為」として村に約9100万円の支払いを命じる。原告、被告ともに控訴

・05年 8月5日  高松高裁控訴審判決。「指名回避は合理的な理由がある」として1審判決を取り消し、原告が逆転敗訴。同月中に原告が上告

・06年 7月20日 最高裁が上告を受理

・06年10月26日 最高裁上告審判決。「長期間の指名除外は極めて不合理」として、控訴審判決を破棄、差し戻しを命じる

・08年 3月17日 差し戻し審が結審

・08年 5月29日 高松高裁差し戻し審判決。「指名回避に違法性や故意・過失はなかった」として、原告の請求を棄却

読売・岩手

パトカー追跡巻き添え死亡 遺族側上告、最高裁棄却
「追跡に違法性なし」確定
 盛岡市で1994年3月、県警のパトカーに追われていた車に追突され、乗用車が炎上して車内の男女が焼死した事故を巡り、「パトカーの警官は無謀な追跡をした上、救出を怠った」として、遺族が県に慰謝料など約1億3400万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は遺族側の上告を棄却する決定をした。決定は26日付。これで県警の追跡に違法性はないとした2審・仙台高裁判決が確定した。

 1、2審判決によると、94年3月31日午前0時過ぎ、盛岡市上堂の国道4号交差点で、信号待ちで停車していた乗用車が、当時18歳だった少年の車に追突され炎上。その車に乗っていた盛岡市南青山町、会社員中津山康之さん(当時22歳)と、婚約者の同市東緑が丘、会社員横田恵理香さん(同)が焼死した。

 盛岡西署のパトカーが前照灯が割れていた少年の車に停止を命じたが、そのまま逃走したため、追跡した。

 1審の盛岡地裁は2005年2月、遺族側の請求を棄却。仙台高裁は07年2月、「警察官は2人を救護する必要があるか確認する義務があった」としたが、「2人の死亡との因果関係はなかった」とし、追跡の違法性も認めなかった。

 上告棄却を受け、横田さんの父、嘉明さん(67)(同市東緑が丘)は、「国民の命と財産を守ることが警察の責務なのに、加害者を捕らえることだけに集中した。警察官の失態だ。窓を壊して助けてくれたら、助かったかもしれない」と悔しさをにじませた。

河北新報

 甲斐裁判長は「原告の主張には事実誤認があり法令違反を指摘しているだけ。最高裁で審理する条件に該当しない」と判断した。
 
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横田さんの父嘉明さん(67)「親としての11年にわたる闘いが形式論で片付けられたことに憤りを感じる」


そろそろご老公様をやめて、法廷物を毎日放送したら、行政訴訟も変わるんじゃないかな?