中国新聞

上関原発、住民敗訴確定へ 入会権めぐる訴訟で最高裁 '08/4/3

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 中国電力広島市)が山口県上関町に建設計画中の上関原発をめぐり、反対派住民が炉心用地などに当たる共有地の入会権確認などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(泉徳治裁判長)は三日、判決言い渡し日を十四日に指定した。

 一審判決は地区住民が薪を採るなどの入会権を認めたが、二審広島高裁は「入会権は時効で消滅した」として住民側逆転敗訴とした。最高裁が二審の結論を変更する際に開く弁論がないため、住民側の上告を退けて高裁判決が確定する見通し。

 高裁判決によると、共有地は上関町・四代地区にある約九千五百平方メートルの山林や保安林。一九九八年に地区役員会が中国電力の社有地と交換した。原告住民は「住民全員の同意を得ておらず、交換契約は無効」などとして提訴した。

 一審山口地裁岩国支部判決は「一八九○年ごろから薪採取のために共同利用され、一九五○年代まで続いた」と入会権はあるとした上で「伐採や整地は薪のための木を減少、消滅させる」とし、伐採など現状変更の禁止を中国電力側に命じた。

 一方、広島高裁は「遅くとも七五年ごろには使用されておらず、入会権は既に時効になった。地区の財産処分は役員会決議によることが慣行で、交換契約は有効」と判断した。

入会権かぁ・・・。