戦略の差?

西日本新聞

熊本県知事選 自民支援 蒲島氏が先行 世論調査 民主・鎌倉氏ら追う
 西日本新聞社は、23日投開票の熊本県知事選について電話世論調査を行い、取材も加味して情勢を探った。無所属新人の5候補のうち、自民党が支援する政治学者の蒲島郁夫氏(61)が比較的幅広い支持を集めて先行。元県部長の鎌倉孝幸氏(61)=民主推薦、元熊本県相良村長の矢上雅義氏(47)、弁護士の北里敏明氏(59)、元衆院議員の岩下栄一氏(61)が追う展開となっている。

 熊本県知事選は61年ぶりに過去最多タイとなる5人が立候補。議員や各種団体などの支持が複雑に入り組む中、蒲島氏を支援する自民と、鎌倉氏を推薦する民主の与野党対決などが注目される。ただ、調査では3割が誰に投票するか決めておらず、無党派層の動向を含めて、なお流動的な要素がある。

 調査結果を基に情勢を分析すると、蒲島氏は自民党支持層の3割以上、公明党支持層や無党派層の各3割からと比較的幅広く支持を集める。地域別でも、まんべんなく浸透する傾向がみられる。

 鎌倉氏は社民党支持層の3割強の支持を受けるが、肝心の民主党支持層は3割弱しか固め切れていない。地域別では、出身地の阿蘇以外は蒲島氏に先行を許している。

 矢上氏は共産党支持層の3割以上のほか、民主党支持層の一部にも食い込んでいる。北里氏は自民党支持層、岩下氏は公明党支持層のそれぞれ一部に浸透している。

 一方、争点のひとつである川辺川ダム(同県相良村)建設問題では、6割近くが「反対」と回答した。「就任半年後に態度を明らかにする」と主張する蒲島氏は「賛成」「反対」双方から支持を集めている。

 調査は14‐16の3日間実施。市町村別人口、年齢、性別に配慮して無作為抽出した有権者に電話し、有効回答を得た934人分のデータを分析した。


=2008/03/17付 西日本新聞朝刊=
2008年03月16日23時56分