産経

クリントン氏、止まらぬオバマ氏中傷 呼び捨てで「恥知らず」 (1/2ページ)
2008.2.24 17:09

このニュースのトピックス:米国
 【ワシントン=山本秀也】米民主党の大統領候補指名を争うヒラリー・クリントン上院議員は23日、オハイオ州シンシナティでの演説で、ライバルのオバマ上院議員から政策批判を受けたことに激怒し、「恥知らずめ。バラク・オバマ」と叫ぶなど、ライバル候補を呼び捨てで罵(ば)倒(とう)した。5日のスーパーチューズデー以後、連敗中のクリントン氏は、このところ品格に乏しい言葉でオバマ氏への中傷を繰り返し、党内争いでの“ヒール”(悪役レスラー)ぶりが突出しつつある。

 来月4日に予備選を控えたオハイオ州遊説で、クリントン氏はオバマ陣営が政策冊子で同氏の保険政策、北米自由貿易協定(NAFTA)を批判したことに「民主党の核心的な価値観を損なう手法だ」と反発。「恥知らずめ、バラク・オバマ。筋の通ったメッセージを選挙運動で公にしてみせよ」と語気を強めた。

 すべての国民をカバーする公的な医療保険制度をもたない米国で、国民皆保険制の導入は、クリントン氏の目玉公約だ。オバマ氏は、政策冊子を通じて、強制的な保険加入を国民に迫るものだと批判していた。26日にはオハイオ州クリーブランドオバマ氏との討論会が予定されており、クリントン氏は「あなたの戦術や選挙活動での言動について議論させてもらう」と舌戦を予告した。

 このところ、民主党内での中傷はクリントン氏が仕掛けるケースが続いている。21日にテキサス州で行われた討論会で、クリントン氏はオバマ氏の演説表現が盟友のマサチューセッツ州知事からの借用だったとする問題を取り上げ、「他人の言葉で述べる変革など、ゼロックスコピー機)での丸写しにすぎない」と発言。度を超した表現に、一般席から激しいブーイング(非難)がわき起こっていた。

関連記事は今朝多かったが、今残っているのはこれぐらい。最近負けが込んできて感情的、という感じの報道が多いが、今回はちょっと論点あり。ポイントは保険政策、北米自由貿易協定のところで、ビル・クリントン時代から、国民皆保険制度を提唱している。日本でも健康保険から洩れている人が増えているとして問題になっているけれど、アメリカではそもそも正規の職についていてさえ、保険会社が介入すると十分な医療が受けられない場合がある。まして、ワーキングプアだの、あのハリケーンで水浸しになった地域の貧困層だのといった人びとなどは・・・。今回、オバマ氏は、「クリントン氏は強制的に保険料を払わせて健康保険に入らせようとしている」という趣旨の発言をしている。オバマ陣営のブレーンにシカゴ大の経済学者が入っていることはあまり知られていないが、これだと、現共和党より一層、原理主義的に市場主義が加速しそうだ。クリントンを支持していたマイノリティ層は、ワンフレーズポリティックスに惑わされているのかもしれない。クリントン氏は、ここは、冷静に議論した方がいい。