神戸新聞

最高裁、3対2で死刑回避 福島県の強盗殺人事件
 福島県いわき市で2人を射殺し、現金を奪ったとして強盗殺人罪などに問われ、1、2審で無期懲役とされた暴力団組員岡田孝紀(29)、面川昌功(27)両被告の上告審で、最高裁第1小法廷は22日までに、死刑を求めた検察側の上告を棄却する決定をした。

 裁判官5人中3人の多数意見で、残りの2裁判官は「岡田被告は死刑相当で、審理を仙台高裁に差し戻すべきだ」と反対意見を付けた。最高裁によると、死刑の選択をめぐり意見が分かれるのは極めて異例。

 決定は20日付。無期懲役刑が確定する。

 涌井紀夫裁判長らの多数意見は「若い2人の命を奪い、冷酷、残忍で死刑も考慮されるが、被害者への恨みが動機で、拳銃は被害者から預かったものだった。一般市民を巻き込むような事案ではない」と判断した。

 一方、反対意見は甲斐中辰夫、才口千晴の両裁判官で「岡田被告は暴力団幹部で、拳銃を使った被害者2人の強盗殺人事件の首謀者。先例に照らせば死刑が相当」と指摘した。

(2/22 18:47)