法政大学出版の3月近刊

3月5日発売予定
定価6090円(本体5800円+税)四六判
マルティーヌ・レイボヴィッチ 著/合田 正人 訳
《叢書・ウニベルシタス883》
ユダヤハンナ・アーレント 経験・政治・歴史
ISBN978-4-588-00883-2 C1310
「私はひとりのユダヤ女です」と自らを位置づけるアーレントにとって「ユダヤ性」は紛れもないひとつの「経験」であり、己の思考を政治や歴史に導く重要な要素だった。亡命時に練り上げた歴史観を再構築し、『全体主義の起源』を読み直し、パーリアと成り上がり者、シオニズム運動、《最終解決》のユダヤ人評議会等への分析を引き出し、その思想形成の側面を照射する出色のアーレント論。〔思想・政治・歴史〕

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3月13日発売予定
定価31500円(本体30000円+税)A5判
ヴォルテール 著/高橋 安光 編訳
ヴォルテール書簡集
ISBN978-4-588-15050-0 C3010
18世紀フランス啓蒙主義の代表的思想家・作家ヴォルテールは、生涯に1万5千通を越える手紙を書いた。その中から、1704−78年の74年間の、名宛人225人に及ぶ1081通を編訳。当時のヨーロッパ社会における生活・世相・人間関係はじめ、学芸・思想・出版の仕事と交流の現場、文芸や演劇の創造・普及の舞台裏、等々をリアルかつ率直に記録した、〈手紙の世紀〉最大の精神的遺産。〔哲学・思想・文学・歴史〕

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3月14日発売予定
定価3675円(本体3500円+税)四六判
ツヴェタン・トドロフ 著/大谷 尚文 訳
《叢書・ウニベルシタス884》
絶対の冒険者たち
ISBN978-4-588-00884-9 C1310
オスカー・ワイルドライナー・マリア・リルケ、マリーナ・ツヴェターエワをとりあげ、その人生を通じて、彼らの実存の苦難、彼らが陥った陥穽を描く。前著『悪の記憶・善の誘惑』において、人間の宗教的本性を現代という文脈の中に置き直した著者が、本書では個々人の内的な冒険として絶対の探求を論じ、それを歴史の中に位置づけつつ、彼らの探求と不可分であるかに見える善悪二元論を相対化する。〔哲学・思想〕

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3月19日発売予定
予価7665円(本体7300円+税)A5判
李 昊宰(イ・ホジェ)著/長澤 裕子 訳
《韓国の学術と文化28》
韓国外交政策の理想と現実
ISBN978-4-588-08028-9 C3322
1945−1953年、日本の植民地統治から解放された韓国は、東西冷戦と、左右両勢力の対立激化という国際的・国内的現実が錯綜する、複雑な政治状況に置かれた。著者は、「小国を中心とする小国際政治体制」概念を軸に、政党連合運動、南北協議から、李承晩の対米外交、米国の対韓政策の失敗を経て、韓米相互防衛条約の成立に至る政治過程を綿密に分析、戦後韓国政治外交史の核心を問う。〔韓国外交・政治史〕

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3月21日発売予定
定価4725円(本体4500円+税)A5判
法政大学比較経済研究所/曽村 充利 編
《比較経済研究所研究シリーズ23》
自由主義は文学を変えたか サッチャー以後のイギリス
ISBN978-4-588-60223-8 C3090
サッチャーとブレアの時代の二十数年間に、イギリスは国内的にも国際的にも大きな変化を経験した。そうした変化をイギリスの文学者たちは感知し、知的で洗練され、論争的でスケールの大きな、優れた文学性をもつ作品がつぎつぎと生み出されてきた。本書は、経済学と統計学に関する論考も含め、この間に著わされた小説や詩の作品群を社会、政治、文化、思想との関わりで論じる。〔英文学・イギリス論〕

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3月下旬発売予定
予価4200円(本体4000円+税)四六判
ジャンバッティスタ・ヴィーコ 著/上村 忠男 訳
《叢書・ウニベルシタス878》
新しい学 2
ISBN978-4-588-00878-8 C3310
ヴィーコには『新しい学』の「親鍵」であると自負している「発見」がある。「最初の諸国民は自然本性上の必然からして詩人たちであり、詩的記号によって語っていた」というのがそれである。第2分冊では、この「発見」を導きの糸として、諸国民の世界を形づくっている「詩的知恵」の諸相に推理がくわだてられる。(全3巻/『新しい学3』は2008年6月頃刊行予定)〔哲学・思想〕

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3月下旬発売予定
定価4725円(本体4500円+税)四六判
ハンス=ゲオルク・ガダマー 著/轡田 収・巻田 悦郎 訳
《叢書・ウニベルシタス176》
真理と方法 II 哲学的解釈学の要綱
ISBN978-4-588-00176-5 C1310
哲学的解釈学によって現代思想界に多大な影響を与えたガダマーの主著、待望の第II巻。近代の科学的方法思考によって覆い隠されているものあるいは見誤られてきた事柄を指摘し、意識化することを課題にした〈哲学的解釈学〉の、その核心が示される「第二部」の展開。シュライアーマッハー心理学、ディルタイの歴史意識、フッサール現象学ハイデガーらが解釈学的見解から論及・分析される。〔哲学・思想〕