中日新聞

グラミン銀行が対米進出 貧困層救済、先進国で初
2008年2月16日 17時04分

 貧困救済に努め、ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュグラミン銀行サブプライム住宅ローン問題に揺れる米国に進出、移民らを対象としたマイクロクレジット(無担保小口融資)に乗り出した。同行が先進国で事業を展開するのは初めて。16日の英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)が報じた。

 同紙によると、米国では約2800万人の移民らが銀行口座を持てず、口座があっても信用が不十分で融資を受けにくい層は約4500万人に上る。サブプライム問題の影響で貸し渋りが目立つ中、同行は米国でも貧困層支援が必要と判断。第1歩としてニューヨークの移民女性グループに5万ドル(約540万円)を貸し付けた。

 同行創設者の経済学者ムハマド・ユヌス氏は「米金融システムが万全でないことが明白になった今が進出の好機だ」としており、今後5年間に融資規模を約1億8000万ドルに増やし、全米各地に事業を広げる。

(共同)