あれ、何新聞だっけ?

民放連見解全文 裁判員制度下の事件報道
 17日公表された日本民間放送連盟の見解「裁判員制度下における事件報道について」の全文は次の通り。

 一般の国民が刑事裁判に参加し、裁判官と協働して審理を行う裁判員制度の実施にあたり、日本民間放送連盟は、公正で開かれた裁判の実現という観点から、あらためて事件報道のあり方について議論し、以下の考え方をまとめた。

 民放連は1997年、日常の取材・報道活動の道標として「報道指針」を策定し、不断の努力を続けている。また、放送界の第三者機関・BPO放送倫理・番組向上機構)の設置や、集団的過熱取材問題への対応など、自主自律機能の強化を図っている。

 裁判員制度の実施にあたっても、こうした基本姿勢は変わるものではない。今回の議論を踏まえ、われわれの社会的責任を再確認することによって、「知る権利」に応える事件報道と、適正な刑事手続きの保障との調和が図られると考える。

 (1)事件報道にあたっては、被疑者・被告人の主張に耳を傾ける。

 (2)一方的に社会的制裁を加えるような報道は避ける。

 (3)事件の本質や背景を理解するうえで欠かせないと判断される情報を報じる際は、当事者の名誉・プライバシーを尊重する。

 (4)多様な意見を考慮し、多角的な報道を心掛ける。

 (5)予断を排し、その時々の事実をありのまま伝え、情報源秘匿の原則に反しない範囲で、情報の発信元を明らかにする。また、未確認の情報はその旨を明示する。

 (6)裁判員については、裁判員法の趣旨を踏まえて取材・報道にあたる。検討すべき課題が生じた場合は裁判所と十分に協議する。

 (7)国民が刑事裁判への理解を深めるために、刑事手続きの原則について報道することに努める。

 (8)公正で開かれた裁判であるかどうかの視点を常に意識し、取材・報道にあたる。

 国民が参加する裁判員制度の下では、事件の真相解明とともに、司法判断に至る過程や理由が、裁判員が選ばれる母体である社会全体で共有されることが求められる。

 こうした中、報道機関は、事件の背景や原因に迫り、伝えていく重い役割を担っていると考える。われわれは、社会が事件を直視し、社会が一体となって再発の防止を考える手がかりを提供することによって、視聴者・聴取者の期待に応えなければならない。

 われわれ報道機関は、公共的使命と責任をいまあらためて自覚し、これからも幅広い観点から事件報道にあたることを、ここに確認する。

(2008/01/17 18:15 更新)