大臣談話・・・とても詳しい

外来種の繁殖による生態系破壊に関する質疑】
Q: 法務省には余り関係ないのですけれども,11日に琵琶湖で開かれた「全国豊かな海づくり大会」で,天皇陛下が,自分が米国から持ち帰ったブルーギルが琵琶湖で繁殖してしまったことに対して,「心を痛めています」と異例とも言えるようなお言葉を言われたのですけども,環境革命家である大臣としてはどのように思われますか。

A: ブルーギルは,今から何年くらい前でしょうか,30年ぐらい前には,釣りの対象として面白いということが,釣りの雑誌によく出ていました。その後はブラックバスオオクチバスコクチバスということで,各種在来種の絶滅等が相次いでいます。私は,今はもう全く行っていませんが,若い頃はわかさぎを釣るのが好きだったものですから,茨城の涸沼あるいは北浦等へ自分で運転をして朝早く行って,夕方からは東京で仕事をするなどという無茶なこともしていました。もう今は全く釣れませんが,涸沼で昼までに千匹以上釣ったこともあります。茨城でも,現実にブルーギルがかかったこともあるのですよ。ですから,いろいろな所に放されているのではないかと非常に恐れています。それから今日,閣議特定外来生物の指定の関係だと思いますが,グリーンアノールというトカゲは指定されていたのかもしれませんが,ナイトアノール等を追加するという案件がありました。要するに小さなトカゲなのですが,グリーンアノールのところに,ナイトアノール,ガーマンアノールを追加するというものです。小笠原諸島に,私は行ったことはありませんが,オガサワラシジミという小笠原特産種,これがこのトカゲ類にやられて,ひょっとしたら絶滅をしたかもしれませんし,DNAが絶えたかもしれません。そういった意味で,特定外来生物の問題は非常に難しいのです。本来,ニジマスにしても特定外来生物ではあるわけです。そういう意味では,人類にしても最初は外来生物だったかもしれないわけです。そういうことまで考えますと,きりがないのですけども。とにかく徹底して日本の生態系を守りたいと思います。とりわけ街路樹は,日本の木に全部代えていきたいという気はします。プラタナスの枯葉舞う何とかというのもいいですけれど,あれも外来植物でしょう。なるべく日本にある,日本の生態系の中にある植物を街路樹あるいは公園の植え込み等に使えば,日本古来の生態系を守る一路にはなるのです。天皇陛下の非常に優しいお気持ちがにじみ出ていて,記事としては非常にほのぼのとしたうれしい記事ですが,実態としてはブラックバスブルーギル等は大問題です。確か琵琶湖にはものすごくよくだしが出る小さなイサダという魚がいるはずです。小さな一匹に,お湯をかけただけですごいだしが出るというふうにテレビで見たことあるのですが,イサダ等ももうほとんど獲れないと言います。それから,昔は,琵琶湖の湖面を埋め尽くした春のモロコ釣りも,もうほとんど今はやっていないという話を聞きます。