表現の自由はどこまで許されるのか

という問題提起が、本日のクローズアップ現代においてなされていたかと思う。

http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2910


都合により、ちょっとしか見られなかったので、同番組について余りコメントできないのだけど、この映画はドキュメントと称しながら「はじめに結論ありき」で、歪曲・捏造の可能性があったりして、ゲストが、太地町の人も対抗して映画を作れば、というようなことを提案していたように記憶する。そうそう、それを聞いたついでに、「欧米の人達が、ウサギを料理して食べてしまうなんて残酷だ、可愛そうだ、あんなに可愛いのに、人間の友達なのに」に類した映画とかねえ・・・なんて事を考えた人もいるかも知らん。とか、しゃべっていたら、こんな記事を発見。


「ドブス」動画問題、指導の准教授を諭旨解雇
 首都大学東京(本部・東京都八王子市)の男子学生2人(退学処分)が「ドブスを守る会」と称して街頭で女性を無断撮影し、インターネットの動画サイト「ユーチューブ」に投稿していた問題で、同大は6日、指導教員でシステムデザイン学部の久木元拓准教授(43)を諭旨解雇処分にしたと発表した。


 同大によると、准教授は先月、2人が撮影した映像をゼミの時間に視聴した際、「動画ではなく、写真などで表現できるのではないか」などと、学生の活動を容認するような助言をした。さらに、問題発覚後の大学側の調査に対し「映像を事前には見ていなかった」などと虚偽の説明をした。

 また、学生が作成した別の動画に絡み、ネットの掲示板に不適切な書き込みをしたとして、同学部の別の男性准教授(46)を訓告。さらに学部長ら2人を、准教授2人に対する監督責任で、厳重注意にした。

(2010年7月6日21時11分 読売新聞)


解雇処分だと退職金を出さない、と思うけど、この准教授の最も情けない所は、「虚偽の説明」ですよね。事の成り行きを見て「まずい」「わしゃ知らん」と思ったのでしょうが、ゼミでは、映像を作成した二人のノリについ合わせちゃったとも考えられるわけで、「社会にインパクトを与えるための表現の自由」についてきっちりした知見を持ち合わせていないまま、やたら協調性だけが高い学者――こういう研究者がどれほど存在するかは別として――という印象を社会に与える行為であるなあ、と、思われたのでありました。