「仮想敵つぶせ」が、オスの本能にビルトインされているのであろうことは、ガザ地区に限らない。


一方、仮想敵ではないんだが、最近のマスコミの激しい政権叩きが、何かに似ていると思っていたが、思い出した。ロッキードのときの田中角栄つぶしである。それまで角さんを庶民の味方として祭り上げていた新聞社ほど、先頭に立って叩いたそうだが、昭和史を振り返ってみると、あれが、日本が本格的な大国になる可能性をつぶした終わりの始まりであったと思う。暮れに日経だったか、五十嵐教授が、クリントン外交のJapan passing路線を説明していたのは、地味ながらいい記事であった。その昔、ペリーが日本に来たのは、あくまでも大国主義のアメリカが、対中貿易に大英帝国並みに参加したくて、燃料・水の補給地を求めて日本に開港を迫ったのである。結局、日本がフィリピンよりおとなしい補給地に過ぎない存在であり続けているのは、対日政策の基本中の基本といっても過言ではないような気がする。少しでも日本が力を余分につけることは決して、許されない。その点、汚染米ミニマムアクセスを何の疑問もなく受け入れた羽田、藤井が重鎮として優秀な若手を押さえつけており、なおかつ、外交ができず、病気持ちでハードな政治日程をこなせない小沢が代表を勤める民主党ほど、今のアメリカにとって都合のよい、願ったりかなったりの相手はない。恐らく麻生さんが、外交手腕を発揮しようとすればするほど、攻勢は強まるであろう。